✳︎書籍名: 上州のくらしとまつり
✳︎写真: 須藤功
✳︎文: 都丸十九一
✳︎発行所: （株）煥乎堂
✳︎発刊日：昭和52年初版発行
✳︎ページ数: 260p
✳︎サイズ: B5
✳︎装幀・有村真鉄　地図・佐々木真紀子
✳︎状態：外函と背表紙に汚れあり〼

《目次》
はじめに
①新年の儀礼
1. 予祝の祭り
2. 除災の祭り
3. 感謝の祭り
4. 稲霊の祭り
5. 神事
6. 正月のお神酒
7. 八幡さまの祭
8. 福の神
9. 鬼と鹿
10. トシドンの神
11. 年越しの祝い
②一年のくらし
◉米
◉畑作
◉山
◉水
◉蚕
◉その他
③年中行事と祭
1. 七小祭
2. 稲作の祭
3. 大根まつり
4. 神送り
5. 田植え
6. 雨乞い
7. 秋祭り
8. 収穫祭
9. 神迎え
10. 火まつり
11. 道祖神
12. 念仏踊り
13. 冬の行事
◉あとがき「上州と私」

本書の中核を成すのは、上州（群馬県）の村々で営まれてきた年中行事と祭りです。

正月の予祝儀礼: 「お神酒」「神々」を迎える儀式や、「鬼と鹿」「トシドン（歳徳神）」といった、生命力に満ちた新年の神事の様子が、臨場感あふれる写真で紹介されています。

農耕儀礼: 田植えや収穫、さらには「雨乞い」といった、人々の暮らしと自然が密接に結びついていた時代の切実な祈りが、その行事を通して伝わってきます。

道祖神信仰: 村境や辻に立つ道祖神の姿や、人々の集いの場としての役割を伝える記録は、民間信仰の根強さと共同体のあり方を理解する上で貴重です。

郷土玩具の愛好家にとって見逃せないのは、祭りに登場する造り物や依代（よりしろ）の姿です。

目次に登場する「達磨まつり」は、群馬の代表的な郷土玩具である高崎だるまの起源や、それが果たしてきた役割を知る手がかりとなります。

祭りの中で作られる神像や仮面、紙や藁細工といった素朴な造形物は、やがて民芸品や郷土玩具へと姿を変えていく、その造形の原点と精神性に触れることができます。

日本の古い信仰や祭りの文化、そのルーツに関心があるすべての方に、強くおすすめできる一冊です。

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