1971年《山本鼎の手紙》山本太郎 山越脩蔵 民藝運動 木端人形 信州郷土玩具
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✳︎書名: 《山本鼎の手紙》
✳︎著者: 山本太郎
✳︎発刊日:1971年初版発行
✳︎サイズ: A5判
✳︎ページ数:450p
✳︎状態:カバー汚れ縁キレあり〼

【目次】
•第一編:自由画教育
•序
•子供の絵
•自由画教育の眼目
•臨本(手本)教育の弊害
•創造の喜び
•芸術教育の社会的意義
•第二編:農民美術
•農民美術の提唱
•上田における農民美術練習所の試み
•農村の冬と手仕事
•工芸品としての農民美術
•木片人形と刺繍
•生産と芸術の一致
•農民美術の将来 

郷土玩具・民藝ファンへ贈る「山本鼎と農民美術」
柳宗悦が「民藝」を定義するのとほぼ同時期、信州の地で「農民の生活と美」を根底から変えようとした男がいました。それが山本鼎です。

本書は、彼が情熱を注いだ「農民美術運動」の真髄が語られた一冊です。

《用の美=生活のための美》という民藝との共鳴。
山本鼎は、農閑期の現金収入源としてだけでなく、農民が自らの手で美を創り出すことで、精神的な豊かさを得ることを説きました。

これは柳宗悦の「民藝」が掲げる「用即美」や、無名の職人による美というアニノマスな観点と深く通底しています。

現在も上田地方の特産として知られる「木片人形」の誕生秘話が記されています。

ロシアの木彫り人形にヒントを得つつも、日本の風土に根ざした造形へと昇華させる過程は、郷土玩具愛好家にとって「新しい伝統」が生まれる瞬間を追体験する興奮があります。

機械化が進む時代にあって、山本は「自分の目で見て、自分の手で創る」ことの尊さを説きました。

彼が提唱した木彫や刺繍の図案は、素朴ながらも力強く、現代の私たちが郷土玩具に見出す「へたうま」や「プリミティブな生命力」に満ちています。

民藝運動との「鮮やかな差異」を知る面白さ柳宗悦が「伝統的な職人の手仕事」を重視したのに対し、山本鼎は「個人の創造性」を重視しました。

「素人である農民が、自らの感性で彫る」という彼の哲学は、民藝運動とはまた異なる角度から、私たちの身近にある「民衆の美」の本質を照らし出します。信州の冬が生んだ、温かみのある造形美。
雪に閉ざされる冬、炉端で木を削り、糸を紡ぎます。


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