こちらは、中国少数民族 苗（ミャオ）族 に伝わる
皺刺繍（しゅうししゅう） による装飾刺繍布です。
※ 皺刺繍は、辮刺繍（編み刺繍）と近縁関係にある、立体感の強い伝統技法です。

本品には、左右対称に配置された
「双龍戯珠（そうりゅうぎのたま）」 の文様が表現されています。

■ 文様について
双龍戯珠は、
二体の龍が宝珠を守り、呼応する姿を描いた吉祥文様で、
調和・守護・繁栄・家族や集団の結束
を象徴するとされています。

苗族において龍は、
水・生命力・自然の循環と深く結びついた存在であり、
重要な衣装や装飾に用いられてきました。

■ 技法について（皺刺繍）
皺刺繍は、
布をわずかに寄せながら糸を重ね、
文様に起伏と厚みを持たせる刺繍技法です。

・線が浮き上がるような立体表現
・強い陰影と装飾性
・高度な糸運びと長年の経験が必要

簡略化が難しく、
現在では制作例が限られる技法のひとつです。

■ 歴史的背景
このような刺繍片は、
衣装の縁飾りや装束の重要な部分に用いられ、
装飾であると同時に、
身に着ける人を守る意味を持つ布として扱われてきました。

実用品として長く使われてきた背景があり、
現在残るものには、生活の痕跡が自然に刻まれています。

■ 状態について
・年代物のため、経年による軽い摩耗や使用感があります
・致命的なダメージや大きな欠損はありません
・写真と実物で色味に若干の差が生じる場合があります

古布・手仕事の特性としてご理解ください。

■ おすすめ用途
・民族刺繍のコレクション
・リメイク素材
・額装や展示などのインテリア用途

としてもおすすめです。



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