こちらのネックレスを譲ってくれたのは、中国で代々事業を営む一族に生まれた男性。
いわゆる富二代と呼ばれる立場でした。

彼は幼い頃から、
成功も利益も「当たり前」の環境で育ったそうです。
欲しいものは、欲しいと言う前に用意され、
勝負事も、なぜか負けた記憶がほとんどない。

ただ、彼はこう語っていました。

「このネックレスは、
何かを“得たい人”の手元にある方がいい」

彼がこのネックレスを身につけ始めたのは、
大学卒業後、自分名義で初めて投資を始めた頃でした。

周囲は止めたそうです。
「失敗しても家があるだろう」と。

けれど彼は、
このネックレスを胸元に下げたまま、
一切の助言を断り、自分の判断だけで動きました。

結果は、短期間での大きな成功。
ただし、彼が印象的だったのは
利益そのものではなく、

「危ない話には、自然と近づかなかった」
「一歩引いたことで、結果的に守られた」

そう振り返っていました。


数年後、彼は言います。

「もう、このネックレスがなくても
流れを読む感覚が体に残っている」

そして、
日本に滞在していたある時、
偶然知り合った人物に、
ほとんど説明もせず、このネックレスを外しました。

「今の僕より、
君の方が必要としている気がする。

ネックレスを受け取ったその人物は、
それまで金運に恵まれていたわけではありません。

むしろ、
努力が空回りしやすく、
良い話ほど、なぜか直前で崩れるタイプだったそうです。

最初は半信半疑で、
仕事中も、外出時も、
ただ身につけていただけ。

ところが次第に、
不思議な変化を感じるようになります。

・条件の悪い話を、迷わず断れる
・妙に焦っていた案件が、自然と整理される
・代わりに、無理のない話が残る

それが積み重なった結果、
収支の流れが安定し、
気づけば、余裕が生まれていたそうです。

このネックレスは、
富を押し付けるものではありません。

富のある場所と、
距離を間違えないようにする。

欲に引っ張られすぎず、
恐れに縛られすぎず、
ちょうどいい位置で立ち止まれる。

次に迎える方が、
どんな流れの中にいるのか。
それは、まだ誰にも分かりません。

ただ、必要な人のもとへ巡ることだけは、
これまでと同じように続いていくでしょう。