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20数年前に、ベトナム北部のバクハで入手した、藍染め薄青の布地に、黒の糸で茎・蔓や三つ葉・四つ葉、暗い赤紫の糸で花弁の大きな花2種を描きます。
黒の茎と蔓はチェーン・スチッチでやや平板に描き、花・葉と多分愕は、モン族の伝統なアップリケ(パン・ダウ)縫いで立体的に描きます。なお、撮影環境で図の色合いがややかわります。
モンのアップリケ縫いでは、最初に、黒や藍色の厚布に紋様の下絵を描き、紋様部に明るい色の布を重ねて縫い付け、紋様外側の余分な布を切り取り、次に、刺繍紋付きアップリケを縁取りしバックなどの布に縫い付け、立体的な紋様を描きます。
本品でもこの伝統技法が用いられ、分厚い黒布に、黒の葉や愕のアップリケや赤紫糸で多くの花弁をもつ花を刺繍したアップリケを縫い付け、花弁には淡い青糸も加わり、赤を引き立てます(13枚め以降)。
小バックに描かれた花の紋様は、上側2つでは、外側8枚ほどの花弁を包む開花直前の蕾のように描かれ、下側2つは多数の花弁も開花しています。2種の花モチーフには、時の経過を示唆する細やかな工夫が見られます。
モンの織物には、自然や身の回りの身近なものを基にしたモチーフが使われ、一般に、花の紋様は健康や家内安全など、また、蔓は子孫繁栄、家族・親族やコミュニティの継続を願って用いられるとされます。
大きな花の名は明らかでありませんが、大きな花弁の赤い花から牡丹かとも推測されます。中国で牡丹は、富、幸福、繁栄を意味し、ベトナムでも、中国の影響を受け繁栄、名誉、愛のシンボルとされます。具体的な検討は必要ですが、ベトナムのモン族も、これら影響を受け、幸運の花と見ているのかしれません。
伝統アップリケ飾りのエスニック小バッグは、モンの伝統と願いを凝縮させ、中国との微妙な関係も語りそうな、民芸工芸品です。
サイズ:縦 約21㌢ 横 約24~25㌢ 紐:幅 約1.8㌢ 長さ 約63㌢(下から頂点まで)