鉄地竪丸形雲龍図鐔、無銘、毛彫、金銀布目象嵌、両櫃孔、赤銅覆輪、桐箱入りです。肥後象嵌と思います。

鉄地に金銀の布目象嵌と時代の変色により独特の世界観をもつに至った、細密金工作品です。

----布目象嵌（清水三年坂美術館より引用）----

鉄などの硬い金属の表面に様々な方向から刻みを入れて荒らし、その上に金や銀などの薄い板を食い込ませる技法を布目象嵌と言います。

シリアのダマスカスにおいて紀元前より作られていた金銀象嵌細工が起源とされ、その技法はのちに「Damascene(ダマシン)」と称されました。

その技法がシルクロードの流れに乗って日本に伝わり、桃山時代になると盛んに用いられるようになり、以降、武具や装飾品などの金工品を彩りました。

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表には雲龍と宝珠、雲、裏には花、箱、羽など、様々なものが表現されています。

独特の表現は肥後鐔の名工、志水甚五と推測しますが確証はありません。

肥後象眼の技法は、大別すると布目象眼と彫込象眼があります。現在はほとんどが布目象眼のようです。

経年の錆、汚れ、変色が見られます。わかる人にはわかる逸品です。
画像でご確認下さい。

光の影響により、色が微妙に実物とは違って見える場合があります。また、パソコンやスマートフォンのブラウザによっても多少の違いがございます。ご了承下さい。

サイズ
縦：約7.78cm
横：約7.44cm
耳の厚さ：約5.0mm
重さ：約153.6g
茎孔、縦：約2.49cm、横：約9.1mm