※稼働品ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防：中
裏蓋：中
ベゼル：中
ベルト：
カレンダー：

概要

SEIKO CHRONOMETER SUPERは、1960年代前半〜中頃にかけて製造された、
セイコーが公式に「クロノメーター（高精度）」を名乗った最上級機のひとつです。
当時の国産腕時計の中でも、精度面で頂点クラスに位置づけられていました。

誕生の時代背景

1950年代後半〜60年代初頭、世界の時計業界では
**スイス・クロノメーター検定（COSC）**が高精度の象徴でした。

セイコーも国際精度競争（天文台クロノメーターコンクール）に本格参戦し、
**「精度で世界に追いつき、追い越す」**ことを目標に開発を加速。

その成果を市販モデルに反映したのが
クロノメーター／クロノメーター・スーパーです。

「SUPER」の意味

通常のクロノメーターよりも
さらに厳選・高精度調整された上位仕様

社内選別されたムーブメントのみを使用

温度差・姿勢差を考慮した高度な精度調整

つまり「SUPER」は、
セイコー社内における最高ランク精度保証を意味します。

ムーブメントの特徴

搭載された代表的キャリバー：

Cal.4420 / 4420A 系（手巻き）

毎時18,000振動

微動緩急針（高精度調整機構）

大径テンプ・高品質ヒゲゼンマイ

これらは、後の
グランドセイコー初期機（3180・5722）
と思想的に直結しています。

外装・デザインの特徴

上質なシルバー文字盤

CHRONOMETER / SUPER表記

ドーフィン針や多面カットインデックス

ケースは金張り（GF）やステンレスが中心

デザインは華美ではなく、
精度こそが価値という思想を体現した端正な顔立ちです。

グランドセイコーとの関係

クロノメーター・スーパーは
グランドセイコー誕生（1960年）の直前〜並行期に存在

GS誕生後は、
「最高精度＝グランドセイコー」
という明確なブランド戦略に移行

その結果、クロノメーター表記は短期間で姿を消す

👉 クロノメーター・スーパーは、
GS以前の“最高精度セイコー”の到達点と言えます。

歴史的評価

国産時計が世界水準の精度に到達した証

市販モデルでありながら、天文台精度競争の成果を反映

製造期間が短く、現存数は少ない

現在では
セイコー精度史を語る上で欠かせない伝説的モデル
として高く評価されています。

まとめ

1960年代前半製

セイコー最高精度を保証する称号「SUPER」

グランドセイコー誕生直前の最終到達点

国産クロノメーター史の頂点クラス